生涯一度の面接 その3

 57年の半生で唯一の面談は、相手も僕だけ、僕もこの会社だけという前提で行われた。これはありそうで、世の中に中々ないシチュエーションだ。

 応募が一人しかいないなど選択の自由なく、人手不足から採用する場合はある。あらかじめ条件を提示し、有能な人材を入社前提に面接することもあるだろう。大した情報もなく、常識から明らかに外れた僕のような人間を起用するなど、今に至ってもレアケースのはずだ。

 爾来、変な癖がついた。入社しばらくして僕が面接を担うようになると、よほどでない限り応募があった順に採用するようにしたのだ。誰よりも先にわが社を選んでいただいた事実を重視し、かつ、自分ごときが面談のみで人を見抜く能力などないと、見切った次第である。ま、”よほどの”人も実際におられて、さすがにお断りしたことも少なからずあるが。

 その結果は失敗もあったし、割とうまくいったこともある。続けるうちに、「来た順採用」のポリシーは強固なものになっていって、部下ができて彼らが現場管理の主体になると、逆に僕は面接の機会を奪われていった。選考基準のリスクが、高すぎるという理由らしい。

だよね~



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