生涯一度の面接 その2

 面接は、当時の部長さんと入社後1年で引退されたビルメン事業部の高齢な専務さんの、お二人を相手に受けた。

 「君は前職、いくらもらってた?」同じ質問は、結婚挨拶に妻宅を訪れた際、ゼネコンの偉いさんだった義父からも受けた。その時は、「僕は給料なんて(俗なもの)もらったことありませーん!」と胸を張り、父ちゃんの口をアングリさせたのだった。今回、同じ返答ではまずいかもしれないと、世間知らずな僕も少しは過去から学んでいた。

 「仲間内で商売やってたもんで…安定した保障はなかったんです」などとお茶を濁せば、部長さんが都合よく、僕が経営者的な存在だったんだろうなどと善意に解釈いただいた。いま思い返しても、よくこんなの採用したもんだと、無責任に思う。

 出社初日、社長室に連れていかれ挨拶すれば、「君か、清水に住みたいなんて変わったこと考えるヤツは」。そうか、それが採用の主な理由だったかと、変に得心したのであった。



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